【社労士通信】 by 今中社会保険労務士事務所

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2014年5月号:助成金不正受給と社労士他  『社長業について その3』

      2015/01/02

詐欺罪に問われることも!

助成金(両立支援助成金)の不正受給事例

 

◆「不正受給」に該当するケースとは?

助成金の支給申請に際して、事実通りに申請してしまうと助成金を受給できなかったり、期待した額の助成金を受給できなかったりするため、存在しない書類や実態と異なる書類を作成・提出して助成金を受給しようとすることは「不正受給」に当たります。

実際に助成金を受給しない場合であっても、申請するだけで不正受給になるため注意が必要です。

以下では、厚生労働省から発表されている「両立支援助成金」の不正受給事例をご紹介します。

 

◆不正受給事例(1)

事業主Aは、助成金の申請にあたり「事業所内保育施設の建設に要した費用の領収書の写し」の提出が必要でしたが、助成金に詳しい外部者から「他の事業主はみんなこのようにかしこくやっている」と助言を受け、建設会社に依頼して実際に支払った金額よりも高額な額面の領収書を発行してもらい、本来受給できる金額より多額の助成金の支給を受けました。

後日、会計検査院の調査において不正の事実が判明して指摘を受けたため、事業主Aは助成金を全額返還するとともに、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けました。

さらに、労働局により詐欺罪(刑法246 条:10 年以下の懲役)で刑事告発され、警察の捜査を受けて書類送検されました。

 

◆不正受給事例(2)

事業主Bは、助成金の申請にあたり「対象労働者の出勤簿の写し」の提出が必要でしたが、もともと出勤簿を作成していませんでした。

このため、助成金に詳しい外部者が出勤簿を作成し、その写しを添付して支給申請しましたが、記載内容が実際の出勤状況と違うことが判明したため、事業主Bの助成金は不支給となり、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けました。

 

「非正規社員の正社員化」の動きと「限定正社員」

 

◆小売、流通、外食を中心に増加

先日、衣料専門チェーン「ユニクロ」を運営する株式会社ファーストリテイリングが、現在約3万人いるパート社員・アルバイト社員のうち、半数以上の約1万6,000人を今後2~3年かけて正社員に登用していくことを発表したとの報道がありました。

同社以外にも、流通業や外食産業などにおいて、大手企業を中心に「正社員化」の動きが広がっているようです。

 

◆「正社員化」のねらい

この「正社員化」の広がりの背景には、以下のような企業の思惑があるようです。

・「経験豊富な非正規社員のノウハウを活用したい」

・「待遇改善によって優秀な人材を定着させたい」

・「景気回復の影響による人材不足状態を解消したい」

・「社員のやる気をアップさせて業務の質を高めたい」

 

◆「限定正社員」の活用

なお、ファーストリテイリングでは、勤務地限定(店舗限定)で働くことができ、雇用期間に定めのない「限定正社員」の仕組みを取り入れるとのことです。

この「限定正社員」は、正社員と非正規社員の中間に位置する雇用形態であり、勤務地の限定のほか、職種・職種や労働時間などを限定するものもあり、最近では「多様な正社員」や「ジョブ型正社員」などとも呼ばれています。

現在、「限定正社員」の仕組みを積極的に取り入れていこうとする政府・厚生労働省の動きがありますが、何らかの「限定」があることにより、通常の正社員よりも待遇(賃金水準)が低く設定されることが一般的です。

 

◆「限定正社員」に対する懸念

限定正社員には、育児や介護が必要なため「自宅の近くでしか働けない」「長時間は働けない」等、正社員として働くことに何らかの制約のある人に対して「正社員」の道を開くメリットがあるとされています。

しかし、「賃金を低く抑えるための口実として使われる」「通常の正社員よりも解雇されやすい」などといった懸念の声も挙がっています。

 

事務所より一言

助成金に詳しい外部者とは社会保険労務士の事です。最近、懲戒処分を受ける社会保険労務士が増えています。士業の人数が増加して厳しい状況に置かれていることも一因かなと思いますが、気を引き締めなければなりません。

『社長業について その3』

私たち社労士がお付き合いさせていただいている企業はほとんどが中小零細企業です。

大企業の雇われ社長は社長室にこもり仕事ができます、しかし中小零細企業の社長がそんなことをして会社がうまくいくはずが有りません。

大企業の真似をしたがる社長さんが多いのですが、中小零細企業から日本を代表する会社になった、京セラ、日本電産でも創業時は社長が現場で働いていたのです。

 

 

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2014年6月号:中小企業の「事業承継」他  『社長業について その4』

深刻化する中小企業の「事業承継」「廃業」 ◆「起業希望者」が急激に減少 政府が閣議決定した中小企業白書(2014年度版)で、経営者の高齢化と後継者不足が深刻化している状況が明らかになりました。 また、近年、起業を希望する人を示す「起業希望者」の数が160万人台から80万人台に半減し、急激に減少している一方、起業家数は大きく変化しておらず、毎年20~30万人の起業家が誕生していることがわかりました。   ◆高齢経営者の約半数が「事業承継の準備不十分」 事業承継の形態は、内部昇格や外部からの招聘等、親族以外の第三者への承継割合が増加しているようです。 後継者の育成期間には「3年以上必要」と考えている経営者は8割以上に上りましたが、「経営者の年齢別事業承継の準備状況」を見ると、60代で約6割、70代で約5割、80代で約4割が、後継者がいないなど事業を引き継ぐ準備ができていないことがわかりました。   ◆増加する休廃業・解散の原因 近年、休廃業・解散の件数も増加していますが、廃業を決断した理由として最も多かったのが、「経営者の高齢化、健康(体力・気力)の問題」(48.3%)であり、以下、「事業の先行きに対する不安」(12.5%)、「主要な販売先との取引終了(相手方の倒産、移転のケース含む)」(7.8%)が続いています。   ◆第三者への承継支援策と廃業対策 これらの結果を受けて、政府は、第三者への承継支援策と廃業対策を進めていくとしています。 第三者への承継の支援策としては、外部に後継者を求める中小企業・小規模事業者に配慮し、高い事業意欲のある人材を確保し、後継者ニーズのある企業とマッチングさせるとともに、長期的にフォローアップしていくとしています。 廃業対策としては、(1)廃業に関する基本的な情報提供、(2)匿名性に配慮した専門家支援(電話相談)、(3)小規模企業共済制度のさらなる普及・拡大を図るとしています。   「待機時間」の扱いはどうすればよい?  ◆ドライバーの待機時間に関する争い 賃金を支払わなかったトラックドライバーの待機時間(手待ち時間)について、「荷物管理を要求されて移動や連絡待ちもあり、休憩時間と評価するのは相当でない」として、労働時間に該当するとする判決が出ました(4月24日横浜地裁相模原支部)。 会社側は、「待機中は休憩も自由であり、労働時間には該当しない」と主張していましたが、裁判所はこれを認めず、従業員・元従業員計4人に対する未払い賃金約4,289万円と、これと同額の付加金の支払いを会社に命じました。 会社側の弁護士は「判決を精査したうえで今後の対応を考えたい」としており、今後控訴する可能性もあります。   ◆「休憩時間」とは? 実務上は、待機時間以外にも、深夜勤務の場合の仮眠時間や昼休みの電話当番の時間などが、労働時間になるのか休憩時間になるのかが度々問題になります。 厚生労働省の通達では、「休憩時間とは単に作業に従事しない手待ち時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこと」とされています。   ◆ホームページ上のQ&A また、同省のホームページでは、「私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする昼当番が月に2~3回ありますが、このような場合は勤務時間に含まれるのでしょうか?」という問いに対し、「休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。従って、待機時間等のいわゆる手待ち時間は休憩に含まれません。ご質問にある昼休み中の電話や来客対応は明らかに業務とみなされますので、勤務時間に含まれます。従って、昼当番で昼休みが費やされてしまった場合、会社は別途休憩を与えなければなりません。」と回答しています。   事務所より一言 梅雨入りしてムシムシした日が続いていており、体がだるく素早い行動が取れません。 ビアガーデンにでも行ってちょっと発散したい気分です。 『社長業について その4』 節税のために、出来る限り出費は経費で落としたい、個人の旅行も研修旅行名目にする、接待ゴルフでも福利厚生費名目。 法人税の実効税率は40%に近いので節税のために経費にする社長さんも多い。 こうすると仕事に力が入らなくなり、現場に出てこなくなる。従業員はそんな社長をみて転職先をさがすようになります。

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2014年4月号 :御社の人事制度他    『社長業について その2』

御社の人事制度、問題なく運用できていますか?   ◆人事制度、大丈夫ですか? 御社の人事制度は、設計されてから現在まで、どのくらいの期間運用されていますか? また、運用について現在、問題はありませんか? 人事制度は、無用の混乱を防ぐという観点からも頻繁に変える類のものではありませんが、企業を取り巻く環境が大きく変化している現在、その環境に合わせて制度を変えていくことも必要です。   ◆大半の企業が人事制度に課題を感じている 株式会社トランストラクチャの「人事制度に関する調査」(対象:上場および未上場企業の人事担当者)によると、現行の人事制度が事業環境・経営方針と適合した内容になっている企業は4割程度にとどまり、多くの企業で人事制度についての課題を抱えていることが明らかになりました。 また、「人事制度を問題なく運用できている」企業は、わずか2割でした。   ◆必要があれば再設計も 人事制度は、本来、企業の根幹と言えるものです。現行の人事制度について、「事業環境・経営方針との不適合がある」、「運用方法に問題がある」、「様々な課題がある」と感じているのであれば、適した形に再設計することも必要です。 これはもちろん容易なことではありませんが、社会保険労務士等、経験豊富な外部人材も活用しながら、一度、点検を行ってみてはいかがでしょうか。   「育たない若手」問題をどのように解決するか?   ◆「若手社員の育成」に悩む企業は多い 団塊の世代の大量離職等により、「若手社員の早期育成」を課題に掲げる企業が多くありますが、思うように育たずに悩んでいる企業も多くあります。 では、若手社員の育成はどのように行えばよいのでしょうか。   ◆「段階的な育成」を心掛ける 新入社員の段階では、仕事の知識や業務の手順を教えるだけでなく、組織人としてのマナーを身に付けさせたり、組織や職場に慣れさせたりすることで、まず、社会人としての基礎を固めることが必要とされます。 次に、入社2~3年の社員では、与えられた仕事を着実に遂行できるだけでなく、自ら気づき、自分なりの工夫をすることができるよう、経験の場を与え、結果を振り返ることでさらなる成長を促す機会を設けることが必要となります。 入社4年以降の社員については、将来マネージャーとして職場を管理する役割を担う人材に育てることも視野に、仕事をある程度任せながら必要に応じて指示を与えたりフォローしたりして、活躍の場を徐々に広げていくことが必要となります。   ◆欠かせないフィードバック このように、一口に「若手社員」と言っても、新入社員と数年の経験を積んだ社員とでは求められる役割が異なることから、どのようなアプローチによって育成を図るかという手段は異なります。 しかしながら、いずれの段階においても、経験から得た知識を生かしてステップアップしていく流れは変わりませんので、その都度経験を振り返ることが重要となります。 その際、より効果的なのは、若手社員1人に振り返らせたり考えさせたりする方法よりも、先輩社員や上司が成功(または失敗)の理由を問いかけ、若手社員に考えさせることでフィードバックする方法です。 先輩社員や上司にとっても、自分の仕事のやり方を見直す良いきっかけともなりますので、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。 事務所より一言 『社長業について その2』 創業して、頑張って会社が儲かるようになると、節税のためと税理士からアドバイスされ、高級車を購入して経費で落とすようになります。車だけなら良いのですが、洋服や飲食店も高級になります。 儲かっている期間は長くは続きません。資金繰りを考えて現金で残し税金を払うことにしましょう。    

2014年8月号:企業にとっての適正な人員構成     『社長業について その6』

企業にとっての適正な人員構成   ◆理想通りにはいかない!? 企業においては、適正な数の従業員を抱え、管理職・非管理職がそれぞれ適正な割合を占めていることが理想だと言えるでしょう。 しかし、理想通りにはいっていないことが、株式会社トランストラクチャが実施した「適正人員数・人員構成に関する調査」(上場・非上場の163社が回答)の結果からわかりました。   ◆管理職・非管理職のバランス まず、「管理職と非管理職の人員比率は適正か」との質問に対し、「適正である」と回答した企業は42%、「管理職の人員比率が多すぎる」と回答した企業は41%でした。 管理職・非管理職のバランス、特に賃金の高い管理職の割合の多さに悩みを抱える企業は多いようです。   ◆人員構成の適正化 次に、組織のパフォーマンスを高めるために「人員構成の適正化を進めるべきか」との質問に対しては、 「進めるべき」との回答が73%と非常に高く、「そうは思わない」との回答は10%にとどまりました。 人員構成に悩む多くの企業が、何らかの施策を講じることが必要と考えているようです。   ◆組織のパフォーマンスを高める では、組織のパフォーマンスを高めるためには具体的にどのような施策が必要なのでしょうか? この点に関しては、「業務内容の見直しや業務プロセスの変更を進めるべき」と回答した企業が80%に上りました。 会社内の業務の棚卸しを実施して全体の業務内容を見直し、適正な人員配置を行い、あわせて業務プロセスも見直すことが、無駄な残業を削減して利益を上げることに繋がるでしょう。     事務所より一言 先日、檀家のお寺での「法話会」に行ってきました。 仏教の話を信徒にわかりやすくお話ししていただけます。 お話を聞いただけですぐに悟りに近づけることはないですが、たまにお寺へ行くことも良いものです。   『社長業について その6』 オーナー社長に求めれれているのは、いつまでに何をすればよいのかを明確に指示を出し、社員と一緒になって汗を流してくれる事です。 経営が苦しくても泣き言は言えません。 ゴルフクラブを振ったり、旅行のパンフレットを見たり、高級車に乗ったりしていては社員からの尊敬は無いでしょう。

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2014年3月号:法改正と未払い残業代   『社長業について その1』

4月から始まる「産休期間中の社会保険料免除制度」 ◆4月から制度スタート 仕事と子育ての両立支援を図るため、産前産後休業(原則、産前42日・産後56日)を取得した場合、育児休業の場合と同様に社会保険料の免除が受けられるようになります(被保険者分および事業主分)。 この制度の対象者は、今年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方で、4月分以降の保険料から免除の対象となりますので、社内で周知しておくことが必要でしょう。   ◆書類の提出時期・提出先 事業主による届出書類の提出時期は「被保険者から申出を受けた時」、提出先は「事業所の所在地を管轄する年金事務所」とされています。 今後公表される「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」を、「窓口への持参」「郵送」「電子申請」のうちいずれかの方法で提出します。 なお、添付書類は特に必要ないとのことです。   ◆標準報酬の改定 産前産後休業終了後に報酬が下がった場合、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬額を基にして、新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から標準報酬が改定されます。 この場合、会社が「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を提出しなければなりませんが、産前産後休業を終了した日の翌日から引き続き育児休業を開始した場合には提出することができません。   ◆その他の留意点 被保険者が産前産後休業期間を変更したとき、または産前産後休業終了予定日の前日までに産前産後休業を終了したときは、事業主は速やかに「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出する必要があります。 育児休業期間中の保険料免除期間と産前産後休業期間中の保険料免除期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。   2014年度の各種保険料額(率)・年金額   ◆雇用保険料率 1月27日に2014年度の雇用保険料率が発表されました。2013年と変わらず、下記の通りとなります。 ・一般の事業…1000分の13.5(労働者負担=1000分の5、事業主負担=1000分の8.5) ・農林水産清酒醸造の事業…1000分の15.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の9.5) ・建設の事業…1000分の16.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の10.5)   ◆国民年金保険料額・前納額 1月31日の厚生労働省の発表によると、2014年度の国民年金の保険料額は1月当たり210円引き上げられ、1万5,250円(月額)となります。 また、保険料を口座振替で前納した場合の額は、6カ月間で9万460円(1,040円割引)、1年間で17万9,160円(3,840円割引)、2年間で35万5,280円(1万4,800円割引)となります。現金納付またはクレジットカード納付による前納の場合は、上記とは金額が異なるため、注意が必要です。   ◆国民年金・厚生年金の年金額 2014年度の年金額(老齢基礎年金)は満額で6万4,400円(月額)となり、2013年度に比べマイナス475円(0.7%の引下げ)という結果になりました。 この年金額は、2014年度の年金額改定に用いる名目手取り賃金変動率(0.3%)よりも物価変動率(0.4%)が高くなるため、名目手取り賃金変動率(0.3 %)によって改定され、算出されたものです。 なお、2013年9月までの年金額が本来支給額よりも高い金額に据え置かれていたことを受け、2015年4月までにその特例水準を解消するため年金額が引き下げられます。当初予定では2013年10月分からマイナス1.0%、2014年4月分からマイナス1.0%、2015年5月から0.5%の引下げとする予定でしたが、上記賃金変動率と合わせて0.7%の引下げとなっているものです。 なお、厚生年金の年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は、22万6,925 円(前年度比マイナス1,666円)です。 受給者の受取額が変わるのは、通常4月分の年金が支払われる6月からです。   …

2014年1月号  非ブラック企業他

非ブラック企業!?「若者応援企業」って何?   ◆すでに4,000社以上が登録 いわゆる「ブラック企業」が話題となっていますが、厚生労働省の審査を受けて「非ブラック企業」のお墨付きをもらい、学生らにアピールする企業が増えているようです。 同省は今年4月、若者を積極的に雇用・育成する企業を認定する「若者応援企業宣言事業」をスタートさせましたが、今年10月末時点でこの宣言をした企業は4,375社に上っているそうです。   ◆「若者応援企業」の定義 「若者応援企業」とは、一定の労務管理体制が整備されており、若者のための求人を提出し、若者(35歳未満)の採用・育成に積極的であり、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を積極的に公表する中小・中堅企業のことをいいます。   ◆「若者応援企業」を名乗るには? 「若者応援企業」と名乗るためには、以下の基準をすべて満たしている必要があります。 (1)学卒求人など、若者対象のいわゆる「正社員求人」をハローワークに提出すること (2)「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同していること (3)過去3年度分の新卒者の採用実績および定着状況などの就職関連情報を開示していること (4)労働関係法令違反を行っていないこと (5)事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと (6)新規学卒者の採用内定取消を行っていないこと (7)都道府県労働局・ハローワークで取り扱っている助成金の不支給措置を受けていないこと   ◆「若者応援企業」を名乗るメリット 「若者応援企業」を名乗ることで、企業にとって以下のようなメリットがあります。 (1)ハローワークに提出される通常の求人情報に比べて、より詳細な企業情報・採用情報を公表できるため、会社の職場環境・雰囲気・業務内容がイメージしやすくなり、より適した人材の応募が見込まれ、採用後の職場定着が期待できる。 (2)都道府県労働局のホームページで、就職関連情報も含めたPRシートを公表するため、会社の魅力を広くアピールできる。 (3)就職面接会などの開催について積極的に案内するため、若年求職者と接する機会が増え、より適した人材の採用が期待できる。 (4)「若者応援企業」の名称を使用し、若者の育成・採用に積極的であることを対外的にアピールすることができる。     「年次有給休暇」に関する最近の動向   ◆昨年の取得率は約47% 厚生労働省の発表によると、企業が昨年(2012年)、社員に付与した年次有給休暇(年休)は平均18.3日で前年と同でしたが、社員が実際に取得した日数は平均8.6日(前年9.0日)に減少し、取得率も47.1%(同49.3%)に低下したことがわかりました。 また、時間単位の年休が取得できる制度のある企業の割合は11.2%(同8.8%)と若干増えたものの、全体の1割程度しかないことがわかりました。 さらに、内閣府の調査からは、年休の取得が進まないのは、上司の意識(取得する部下を「仕事より自分の予定を優先」等と否定的に考える)が原因である実態が明らかになりました。   ◆「年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱い」の改正 年休に関連して、注意が必要な通達の変更が行われています。これは、裁判により解雇無効が認められた労働者が、復職後に年休取得を請求して出社しなかったところ、会社がその期間を欠勤として取り扱い、その分の賃金を支払わなかったこと等に関する最高裁の判決があったことによります。 労働基準法では、雇入れの日から6カ月の継続勤務期間またはその後の各1年度において全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、翌年度に決まった日数の年休を与えなければならないと定められています。 この出勤率の計算根拠について、「労働者が使用者の正当な理由のない就労拒否によって就労することができなかった日」を、年休の発生要件である全労働日に含まれると解釈したのがこの最高裁判決です。 この判決が出たことを受け、厚生労働省は、年休算定の基礎となる全労働日の取扱いを変更しました。具体的には、労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、出勤率の算定にあたっては出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるとしたのです。   …

2014年9月号:厚生年金未加入企業への指導強化他  『社長業について その7』

厚生年金未加入企業への指導が強化されます!   ◆「加入逃れ」の防止 政府は、厚生年金保険の加入逃れを防ぐため、国税庁が持つ企業の納付情報から未加入企業を割り出し、指導を強化することを決めました。来春にも着手するとしています。 もし、加入指導されたにもかかわらず、これに応じない場合は、法的措置により強制的に加入となることもあるようです。   ◆厚生年金の未加入問題とは? 厚生年金は、正社員や一定以上の労働時間(正社員の労働時間の概ね4分の3以上)があるパート従業員やアルバイトが強制加入となり、事業 主は加入を義務付けられています。 しかし、従業員と折半となる保険料の負担を逃れようと届出をしない企業があり、問題となっているのです。 特に、パート・アルバイトを多く使用している企業の場合は、ルール通りに加入させると保険料負担が過大なものとなり、企業経営を圧迫するという事情があります。 ただ、企業が厚生年金に未加入の場合、従業員は保険料が全額自己負担の国民年金に加入するほかなく、厚生年金と比べ将来もらえる年金額も減ってしまいます。   ◆これまでの調査と何が違うの? “国税庁が保有するデータを使って、未加入企業を割り出す”ということです。 これまで、厚生労働省は法人登記されている約449万社の中から未加入企業の調査をすすめていましたが、中には倒産していたり、休眠状態だったりする例も多くあることから、特定作業はスムーズにいきませんでした。 しかし、国税庁が保有するデータは「税金を納めている=実際に企業活動をしている」ということになり、特定作業が容易になるのです。   深刻な「後継者不在」問題と制度改正の動向 ◆28万社超の企業を分析 4人に1人が高齢者という時代。企業の経営者も約3割が65歳を超えているそうです。 このほど帝国データバンクから、「事業承継」や「社長の高齢化」などの後継者問題に関する調査の結果が発表されました。 この調査は、同社が有する企業概要データベース(145万社収録)および信用調査報告書ファイル(160万社収録)を分析したものですが、このうち、2012年度以降の後継者の実態について分析可能な企業は28万4,412社だったそうです。 ◆深刻な後継者不在の状況 調査結果によると、国内企業の65.4%が後継者不在とのことです。社長の年齢が「60歳代」の企業では53.9%が後継者不在であり、「70歳代」では42.6%、「80歳以上」では34.2%が同様の状況でした。 後継者のいる企業における後継者の属性は、「子供」(38.4%)が最多で、「親族」(19.9%)、「配偶者」(10.9%)と合わせると同族が約7割(69.2%)となっています。   ◆業種別の状況 業種別に見ると、後継者不在の企業割合が全体の平均(65.4%)以上だったのは次の業種でした。 (1)サービス業(70.4%) (2)建設業(70.0%) (3)不動産業(67.8%) (4)小売業(66.1%)   ◆制度改正の動向 なお、経済産業省の調査結果では、親族に後継者がおらず第三者が後を継ぐ中小・零細企業の割合は約4割とのことです。 現在の法制度は親族が引き継ぐことを前提としていることから、同省では法務省とも連携し、事業承継しやすい制度づくりを進める考えを示しています。 後継者不在の問題に悩む企業は、制度改正の動向にも目を向ける必要がありそうです。 事務所より一言 8月もお盆が終わりましたが梅雨のような天候です。 …

2014年10月号:改正安衛法での義務 「ストレスチェック」 雇用保険の教育訓練給付金が拡充 『社長業について その8』

改正安衛法で義務付けられた「ストレスチェック」に関するQ&A ◆84の「Q&A」 先の通常国会で成立した改正法の1つに「改正労働安全衛生法」(6/25公布)がありますが、これに関連して、厚生労働省から「改正労働安全衛生法Q&A集」が公開されました。 改正項目のうち最も影響の大きいものは「ストレスチェック制度の創設」だと言われており、上記「Q&A集」でも84のうちの36(約43%)を占めています。   ◆ストレスチェックに関するQ&A 以下では、Q&A(抜粋)をいくつか見てみましょう。 【全ての事業場が対象となるのでしょうか?】 →ストレスチェックの実施が義務とされるのは、従業員数 50 人以上の事業場とされており、50 人未満の事業場については、当分の間、実施が努力義務とされています。 【全ての労働者が対象となるのでしょうか?】 →ストレスチェックの対象労働者は、一般健康診断の対象労働者と同じく、常時使用する労働者とする予定です。なお、派遣労働者については、派遣元事業主において実施していただくことになります。 【どれくらいの頻度で実施すれば良いのでしょうか?】 →今後、労使や専門家のご意見を聴きつつ省令で定めていくことにしていますが、健康診断と同様に、1年以内ごとに1回以上実施していただくことを想定しています。 【健康診断のように、実施を外部機関に委託しても問題ありませんか?】 →問題ありません。委託により実施する際には、ストレチェックの結果を実施者から直接労働者に通知する必要があり、労働者の同意なく事業者に通知してはならないことなどの点に注意してください。 【ストレスチェックは面談形式で行うものですか?】 →労働者の心理的な負担の程度を把握するため、労働者自身が該当する項目を選択するチェックシート方式で行う検査です。面談形式に限ることは想定していません。 【健康診断のように、ストレチェックを実施した旨の報告を監督署に行う必要があるのでしょか?】 →ストレチェックの 実施状況を把握するため、事業者には、労働基準監督署にその実施状況について報告していただく仕組みを設けること考えています。   ◆施行予定は来年12月? 今後は、平成27年2月~3月頃に省令・指針等が策定され、平成27年12月までに改正法(ストレスチェックの部分)が施行される予定です。   雇用保険の教育訓練給付金が拡充! 「専門実践教育訓練給付金」について   ◆「専門実践教育訓練給付金」創設 雇用保険の教育訓練給付金が拡充され、10月から新たに、専門性の高い資格取得について、「専門実践教育訓練給付金」が創設されます(2018年度末までの期間限定)。 対象は、厚生労働大臣が指定する、業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする資格取得講座、中長期的なキャリア形成を支援する講座(企業などとの連携により最新の実務知識等を身につけられるよう教育課程が編成されている専門学校の職業実践専門課程、キャリアアップを目的とした専門職大学院)で、対象講座は今後も増える見通しとなっており、支給対象となる社員等も出てくるのではないかと思われます。 要件を満たせば、給付率が従来の「一般教育訓練給付金」(費用の20%、上限10万円)よりも大幅にアップしますので、制度の紹介をすれば喜ばれるのではないでしょうか。   ◆支給対象者は? 雇用保険に原則10年以上加入している方が利用できます。   ◆給付の内容は? 最長3年間にわたって支給され、給付率は費用の40%(上限:1年で32万円)です。 …

2014年2月号: 続 ブラック企業

「ブラック企業」に対する厚労省重点監督の結果   ◆昨年9月に集中的に実施 厚生労働省では、昨年9月を「過重労働重点監督月間」と定め、いわゆる“ブラック企業”(若者の使い捨てが疑われる企業等)に対して「過重労働重点監督」が集中的に実施されましたが、その結果が昨年12月中旬に発表されました。   ◆8割超の事業場で法違反! 監督対象となった5,111事業場のうち、82%の事業場(4,189事業場)において、何らかの労働基準関係法令違反が見られ、是正勧告書が交付されたとのことです。 主な法違反の内容は、次の通りでした。 (1)違法な時間外労働があった:43.8%(2,241事業場) (2)賃金不払残業があった:23.9%(1,221事業場) (3)過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかった:1.4%(71事業場)   ◆主な法違反の事例 なお、法違反の事例として、下記のものが挙げられています。 ・長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業場で、その後も、月80時間を超える時間外労働が認められた。 ・社員の7割に及ぶ係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払っていなかった。 ・月100時間を超える時間外労働が行われていたにもかかわらず、健康確保措置が講じられていなかった。 ・無料電話相談を契機とする監督指導時に、三六協定で定めた上限時間を超え、月100時間を超える時間外労働が行われていた。 ・労働時間が適正に把握できておらず、また、算入すべき手当を算入せずに割増賃金の単価を低く設定していた。 ・賃金が、約1年にわたり支払われていなかったことについて指導したが、是正されなかった。   ◆今後の国の対策 ブラック企業対策としては、今年度から求人票に「過去3年間の採用者数と離職者数」の記入欄が設けられるなども決定しており、企業の採用活動に影響が出るものと考えられます。 今後も、ますます企業における人事労務管理が重要性を増していくことは間違いないでしょう。   「インターンシップ」の実施状況と留意点 ◆実施状況と今後の動向 経団連から、新卒採用(2013年4月入社)に関するアンケート調査の結果が公表されました。このアンケートは会員企業1,301社に対して実施され、583社(回答率44.8%)が回答しています。 このアンケート結果からは、企業の採用選考時に重視する要素、学事日程の尊重への対応策などがわかるとともに、インターンシップの実施状況がうかがえます。 インターンシップについて、「既に実施している」(58.5%)と「今後は実施する予定である」(14.2%)との回答を合わせると7割以上となり、多くの企業で実施されているようです。 また、2011年度と比較した受入れ人数が増加した企業、現在と比較した受入れ人数を増やしていく企業が、ともに3割近くあります。   ◆今後の課題 今後、学生の受入れ人数を増やしていくうえでの課題として、次のような回答がありました(複数回答)。 ・従業員のインターンシップへの理解を深めること(57.8%) ・プログラムを企画・運営できる従業員を確保・育成すること(48.6%) ・採用選考活動の実施時期が後ろ倒しにより、夏季の受け入れが難しくなること(46.5%) ・実施要件(5日間以上、職場への受入れ等)が厳しいこと(39.2%) ・コスト負担が大きいことに比べて、受け入れのメリットが少ないこと(28.1%) ・大学のキャリアセンター等と連携し、応募者数を増やしていくこと(23.6%) …

2014年11月号:マイナンバー制度、事業承継はどうする? 『社長業について その9』

「マイナンバー制度」に関する 企業の対応状況は?   ◆約7割の企業がまだ準備を始めていない! 株式会社アイ・キューが運営する人事ポータルサイト「日本の人事部」では、全国のビジネスパーソンに対して「マイナンバー制度」に関するアンケート調査を実施しました。 「マイナンバー制度への対応状況」について聞いたところ、「まだ準備を始めていない」という回答(69.6%)が圧倒的に多く、「自社内での対応を検討している」(14.4%)、「すでに準備を始めている」(5.6%)、「アウトソーシングでの対応を検討している」(2.4%)など、何らかの動きを見せている企業が非常に少ないことがわかりました。 中には「特に準備をする予定はない」(8.0%)と回答する企業もあったようです。   ◆マイナンバー制度とは? 「マイナンバー制度」は、日本国民と日本に居住する外国人1人ひとりに番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する制度で、2016年1月から利用がスタートします。 これまで国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にすることで、国民の利便性を高めると同時に行政の透明化・効率化を図ることが同制度の目的です。 民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用することになりますが、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須となります。   ◆「番号収集」と「情報漏えい」を懸念 アンケートで「マイナンバー制度に対応するうえでの課題」について聞いたところ、「従業員からのマイナンバーの収集」(28.0%)が最も多く、「個人情報の管理体制の強化」(26.8)が続きました。 情報管理の煩雑さと情報漏えいのリスクを懸念する企業が多いようで、「漏えいした場合の影響は従来の人事・給与データ以上のものになる」、「基幹系システムに与える影響は大きくコストもかかりそう」などの声が聞かれました。 また、「マイナンバー制度による影響・効果」について聞いても、「情報の一元管理による利便性の向上」(8.0%)、「各種事務処理の効率化、省力化」(5.3%)など、その効果を期待する声もあったようですが、「情報漏えいのリスクの発生」(38.7%)との回答が最も多く、不安の方が大きいことがわかりました。 制度の内容についてはもちろんのこと、導入による効果やメリットを企業側でもしっかりと認識し、2016年1月のスタートに向けて準備を進めていく必要がありそうです。   社長の5人に1人が70代以上 事業承継はどうする?   ◆経営者の平均年齢は60歳超 近年、特に中小零細企業において、経営者の高齢化とそれに伴う事業承継が大きな問題となっていますが、株式会社東京商工リサーチ実施した「2014年 全国社長の年齢調査」の結果によると、全国社長の平均年齢は60.6歳と高齢化が進んでおり、社長の約5人に1人が70代以上となっているそうです。 この調査は、同社が保有する企業データベース265万社(2014年9月時点)から、代表者の年齢データを抽出して分析したものです。   ◆社長の年齢が業績に影響? 社長の年齢分布ですが、70代以上:22.5%、60代以上:35.0%に対し、30代以下:4.0%となっており、「若い経営者の創業」や「社長交代」が停滞している状況が明らかになりました。 社長の年齢別の企業業績では、黒字企業は30代以下の構成比が80.4%で最も高く、40代:80.0%、60代:79.4%、50代:79.0%と続いています。 そして、社長の年齢が70代以上の企業では、赤字企業の構成比が22.0%と最も高くなっています。   ◆社長高齢化の弊害とは? また、売上と利益を見ると、「増収増益」の比率が最も高かったのは社長が30代以下の企業(38.2%)であり、「減収減益」の比率は70代以上(26.8%)が最も高く、次いで60代(26.1%)となっています。 調査を行った東京商工リサーチでは、「社長が高齢化するほど安定や成長を支えるビジネスモデル構築が遅れ、従来の営業モデルからの脱皮が難しく、業績悪化につながっている状況がうかがえる」と分析しています。 「社長が若ければ業績が良い」とは一概には言えませんが、社長年齢が若いほど黒字企業の割合が高く、社長が高齢になるほど厳しい業績の企業が多い傾向が見られます。   ◆「事業承継」が大きな課題 2014年版の「中小企業白書」では、事業の将来を悲観して誰にも相談せずに廃業を考えるケースがみられ、経営者の高齢化が進む一方、「後継者難」の理由からスムーズな事業承継が行われていない現状が指摘されています。 特にオーナー企業では、事業承継を希望しても子供等が承継せず、結果として社長が高齢化し円滑な事業承継が難しくなっている点が大きな課題となっています。 …

2014年12月号:「高年齢者雇用」の実態 パートタイマー用の労働条件通知書が変更 『社長業について その10』

「高年齢者雇用」の実態はどうなっている?   ◆9割以上が高年齢者雇用確保措置を実施済 厚生労働省が、「高年齢者雇用確保措置」の実施状況などをまとめた、平成26 年「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)の集計結果を発表しました。 高年齢者雇用確保措置を実施済の企業の割合は98.1%(14万3,179 社)で、雇用確保措置が未実施である企業の割合(1.9%)を大きく上回りました。 企業規模別に見ると、大企業では99.5%(1万5,015 社)、中小企業では98.0%(12万8,164 社)となりました。   ◆約8割が「継続雇用制度」を導入 雇用確保措置の内訳を見てみると、雇用確保措置実施済企業のうち、「定年制の廃止」により雇用確保措置を講じている企業が2.7%(3,850 社)、「定年の引上げ」により雇用確保措置を講じている企業が15.6%(2万2,317 社)だったのに対し、「継続雇用制度の導入」により雇用確保措置を講じている企業は81.7%(11万7,012 社)と、高い比率を占めました。   ◆希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合 希望者全員が65 歳以上まで働ける企業の割合は71.0%(10万3,586 社)となり、中小企業では73.2%(9万5,755 社)、大企業では51.9%(7,831 社)でした。 70 歳以上まで働ける企業の割合は19.0%(2万7,740 社)で、中小企業では19.8%(2万5,960 社)、大企業では11.8%(1,780 社)となり、中小企業のほうが取組みが進んでいることがわかりました。   ◆雇用確保措置の定着に向けた今後の取組み 上記の結果を受け、同省では、雇用確保措置の定着に向けた取組みとして、雇用確保措置が未実施である企業(31 人以上規模企業)が2,723 社あることから、都道府県労働局、ハローワークによる個別指導を強力に実施し、早期解消を図るとしています。 また、生涯現役社会の実現に向けた取組みとして、少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の低下、団塊世代の65 歳への到達等を踏まえ、年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向け、65 歳までの雇用確保を基盤としつつ「70 歳まで働ける企業」の普及・啓発等に取り組むとしています。 パートタイマー用の労働条件通知書が変更されました   ◆改正法で労働条件に関する説明を義務化 …